Fiction

飲みましょうで始まった関係だったので雑草みたいにほったらかしていつかは枯れるように付き合うのが一番だと思った。
久しぶりに会いに行くと相変わらず煙草とよくわからない甘い匂いがしていて彼はこんがり焼けていた。夏だった。
引きずられるように風呂場に連れていかれてローションをぶちまけられる。私はけして濡れにくい子では無いんだけどその筋肉がついた腕はどうも乱暴で愛撫には痛みしか感じないのだ。だから、彼にとって私は濡れにくい子という認識でローションか唾液がセックスのお供だった
実際私はセックスするために会いに来た訳じゃ無かったんだけども結局セックスしたいがためにきっと彼は私と関係を結んだわけなのでしなければなぁという義務感で突っ込まれた。あんあんと申し訳程度に喘ぐ。
風呂場は酷く暑く一時休戦と相成った

涼しい室内で私は目の前の性器に困惑していた。さっぱりやる気がでない。仕舞いにはなんだか悲しくなって半泣きになってしまった。
「ごめん」と抱き締められたがいかんせん彼の筋肉がついた腕は私にとって凶器にしかなり得なかったので気道の確保が最優先で返事が出来なかった。謝るのはこちらの方なのに。きょうはまったりしようぜ。言うか言わないか彼は眠った。私は冷蔵庫からアイスを漁って食べるとTVをみて時間を潰した。
なんだか酷く悲しかったし寂しかった。