だって私誰かを好きになったことないから

私が引きこもってイヤフォンからセックス・ピストルズが陽気にジャカジャカやらかしていたら高校の友達が押し掛けてきた
誰にも会えない顔なのにもうなんだよどちらさまと出てみたら何でメール返さないんだとぶん殴られた。四分の三ブラジリアンな彼女は私がダウナーな顔をしているのが許せないらしくケツも三回叩かれた
四十歳のカナダ人と良い感じなの、でも彼女いるみたいなのその人。一応の倫理観で止めとけ二番目なんて辛いだけだと言ったら別に良いのと彼女は笑った
「だって私誰かを好きになったことないから」
恋に恋する状態を自覚する彼女がかっこよかった。私はいまだに選別出来ない。寂しさを以て求むるは愛 なのだ。
今度一緒にゲイバー行こうね 多分その今度は一生来ないだろうと思いつつ見送った
イヤフォンからはいつしか細美がクリスマスを歌っていた