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摂食障害寛解するまでには患った期間の三倍程度は必要だ
なんてことをどこかで読んだ。
私はいまようやく三食+間食
脳内でカロリー計算なんてしないで暮らせるとこまでこぎつけた。
その為に捨てたものは、軽い体重と、吐いた後の爽快感と、
周りの目と、自分の容姿向上のための努力だ。
まず髪を切った。長い髪は私にとって美の象徴だったけれど切った。
その後髪を黒く染めた。
20代前半の女が身をおく世界から一足先に離れることにした。
極力地味に暮らすことにした。
化粧は最低限になった。かわいらしい服を着ることをあきらめた。
体のラインが出ない服を着なくなったらおしまいだと思っていたけど
おしまいにすることにした。
病的に計っていた体重も量るのをやめた。
そうすることによって、拘りが一つ減った。
私はいまどきの女の子ではなくなったし、
だからかわいい格好をするための努力はしなくてよくなったのだ、
と自分に言い聞かせることに成功した。
(まぁ、そうしたらびっくりするくらい楽になっていった。)

その次に食事を数字で見ることをやめた。
店でサラダしか食べないとか、半分残すだとかそういう
みっともないあがきもやめた。
凄く怖くて、全然食べたくないときも三食食べることにした。
そうすると直面するのは、
たとえば少し食べ過ぎてしまっただとか、
脂っこいものを食べてしまっただとかで起きる胃もたれで、
そうなると昔はパニックになって吐いていたんだけれど、
それもやめた。
そもそも昔はそれを普通に食って消化してたわけだし、
商品として売られているということは食べられるものな訳だし、
ていうかどうせもう可愛い格好しなくていいんだから、
多少太ったってどうにもなんないわけだし。
そうやって油も食べられるようになって、
食べ過ぎるということは大変不快なことで、
わざわざ嫌な思いをして食べ過ぎることもないだろう、と
自分の胃と相談が出来るようになった。
(これには本当に感動した。
ケーキワンホールとか、食パン一斤とか、
あれ、食べれたのはどうせ吐くから大丈夫っていう
気持ちがあったからで、
吐くことが普通ではなくなると、
ちゃんと体はこれ以上はあかんで!ってなってくれた。)
汚い話だけど油が食べられるようになると、万年便秘だった私が
一日に2、3回催すようになってきて、
皮肉なことに食べなかったときよりウェストはすっきりした。
(食べなかった頃の方が皮下脂肪は確かに少なかったし、
 筋も浮いてたけど、腸で異常発酵が起こっていたせいか、
 ガスがたまって餓鬼みたいになっていた)

確かに今の体重は許せないというか今時の女の子からしてみたら
ただのデブなんだけれど、
それでも事務服は相変わらず七号が入るし、
まぁ一応40キロ台だし、
あの頃は普通に食べてたら無限に太り続ける気がしていたけど、
三食食っていて気づいたのは、
普通に食ってても太るときもあるし、痩せるときもある。
だいたいそれでとんとんでプラマイゼロで
均衡がとれる。
私のいまの食事量で、この運動量だとこの体重なのだ。
これ以上やせたいのであれば食事量を減らすか
運動量を増やしてくださいね、という
きっと普通の人なら簡単に分かるスタートラインが
三年掛けてようやく私にも見えた。
三年掛けて出来たことがこれです。

ということで色々捨てて成り立ったこの生活で、
やっぱり捨てた分弊害はあって、
私はもともとそんなに美人じゃないし、スタイルもよくないし、
コミュニケーション能力もないし、ネガティブなので、
お外に出るのが酷く苦痛になった。
近所のスーパーだったり喫茶店だったりはいいんだけど、
服屋さんとか、お洒落なカフェとか
そういうところにいると、馬鹿にされている気になってしまって
どこにも行きたくないし、出来れば知り合いにも会いたくなくなった。
これは引きこもっていた人だったら分かってくれると思う。
お外に出る服も、顔も、もってないんだ。
だからあんなに好きだった美容院も行くの凄く辛いし、
あんなに好きだった服も地元かネットですますし、
とりあえずそういう状況が凄く辛いです。
まぁでも三年掛けてここまで這い上がったんで、
この状況もいつか打破できたらなって思います。

きっとこんなところ誰もみていないけど、
もし摂食障害で悩んでいる人がいたら、
こういう例もあるんだよって伝えたかったので
衝動的に書きました。
あきらめることで見える道もあるよっていうことで。