シンゴジラ感想

シンゴジラを見る
凄い 素晴らしい 邦画はこれでいいんや
こうでなければ…とそわそわしてしまう出来でした
中身としてはヤシマ作戦2時間スペシャルといった感じだったが
その濃度は薄まるどころか濃すぎて溺れそうになる位
おたくの皆さんの中でヤシマ作戦が嫌いな人はいないと思っているけど
シンゴジラだともうこれは嫉妬の域に入ってしまっているのではないか…
庵野節と言ってもいい執拗な位のカット割と明朝体が緊迫感と不安感を駆り立て
冒頭のあまりにリアルな展開からどうやって「冗談」の世界に持っていくのか
その役割をトリックスター的に石原さとみがこなしているところがまた素晴らしい
石原さとみだから許せたし多分これが例えば長澤まさみとかだと三次元に寄りすぎてて駄目だった
あとしみじみ思ったのが庵野監督がもし結婚していなければ片桐はいりは出なかったと思う
片桐はいり要素はほんの少しの汁粉に入れる塩のように人間の動きに深みを与えてくれた
あえて直接描かれてない分そこにはプロの仕事をする大人たちの背景を覚悟を
容易に想像できるようになるし、それは旧エヴァでは出来なかったことだ
火炎放射器で焼かれるネルフ職員にはなにも感情移入出来なかったのに
シンゴジラでは自衛隊員一人一人に感情移入してしまう
人間ドラマなど描かなくても片桐はいりがおにぎりを出すだけでそこまで想像できる
いやー結婚っていいもんですね


描写で言えば311を思い起こすような映像が所々に見られ、大分キツかった
あまりにリアルすぎるのでかなり気が滅入った
しかし全てにおいて登場人物に絶望する描写は描かれない
最善を尽くし生きるために「這ってでも」突き進んでいく
それはこの映画の言いたいことだろうしそれが痛いほど伝わる
生きろ、変化を許容せよ、生きろ
変化を拒むものは死んでしまうのだ
変化することが生きることだ
壊して作って壊す
それが生きることだ
これは地震大国である日本人ならみんな見るべき映画だと思う