そして恋人よ

妬きもちというわけでもなく嫉妬でもない。ただの劣等感。
ふむふむ。
曰く彼女は何だか深くて面白い文章を書くらしい。曰く彼女はパティシエを目指していてそれは素晴らしい製菓を作り出してグランプリを受賞したらしい。
曰く彼女はバンドを組んでいてヴォーカルを担当しているらしい。曰く彼女はとても可愛いらしい。
おぉ素晴らしい。役満だ。
それがちくちくと私の劣等感を刺しているだけであって何ら問題ないったら。

吐く血の女を地で行く私には何にもない。不安になるのだ つまり 一緒にいて良いものか。
「なぜ別れないの」
「別れたら手首切るから」
単純明快である。彼はそういう人間であるからして苦行すら成し遂げようとする
恐らく私との関係自体苦行であって筋を通したいがために関係を続けている
解っているんだ。そこに能動的な愛情はない。
わずかばかりのメリットとして性欲処理だけを能動的に行い 私を安心させるがための言葉を選ぶ。
解っているんだ。

私は君を心底尊敬している。人として大好きだし恐ろしくもある。

せめて私ができるのはお金を使い 身体を使うことだけなのだ
だから上のような女の子に苦悩する
だって誰だって素晴らしい人間と付き合った方がいいに決まっている
人間として好きだから、そんな女の子と恋愛して欲しいとそう思うんだ
おかしいかな?恋人の言うことではないかな?
でも多分私のなかに住む誰かさんはそれを望んでいるよ
因みに恋人としての私はそんなこと望んではいないからね。当たり前じゃないか。