0611

死にたての子猫の死骸を触った。
細い路地で車がやけに混んでいて、
車を降りてみたら子猫が死んでいた。
持っていたタオルで包んでよけた。
まだ暖かかった。死にたてだった。
4、5匹まだ小さい子猫がうろうろしてて、
車が来るたびに私と恋人とで轢かれないように
猫を追って道端に逃がした。
土日は保健所もやってなくて、警察に電話することにした。
電話してる最中に「ギャ」って短い悲鳴が上がって
すごい勢いで白いワゴン車が通り過ぎていって
恋人がしまった!!って走っていったけど
もう駄目だった。頭が割れてて、血を吐いてもう一匹死んでた。
さっきまで動いてたのに、と恋人が呟いた。
かなり勇気が要ったけどもう一枚タオルを使って包んで、
手持ちの袋の中に入れた。
(その間恋人はずっと交通整理してくれていた)
当たり前だけど暖かかった。
それからはずっとその路地で猫が轢かれないように見てて
30分くらいして警察が来て、保健所に持っていってもらった。
轢かれた場所には血がちらばっていて、
残されていた子猫が何回もそっちへいくもんだから
死んじゃうよ、駄目だよって何回も散らして、
ずっと鳥肌立ってて
なんかもう疲れて、
薄情だけどそのまま、私たちもその場から去った。

わかりたくないけど、頭の中ではわかっている
あのままではきっと残された馬鹿な子猫たちは轢かれてしまうだろう
どうにかできたんじゃないか、
そんなことがぐるぐるまわっている
クチナシが沢山あの路地には植えてあって、
ふとした時にどこかから香るとき、思い出す

それからたんぶらなんかで子猫の写真が流れてくるたび
なんだかすごく嫌な気持ちになる
あのふにゃふにゃでほのかに暖かくて、
でも息しない、頭が割れているあの子猫を思い出して、
すごく非力で儚い存在だって改めて思ってしまって
ただ可愛いだけでそのままリブログなんて出来なかった
なんであんなに弱弱しいんだ、なんであんなに馬鹿なんだ
って、理不尽に怒りが湧くときもある
猫好きだけど猫嫌いになりそうだ。