今朝道の端で猫が頭を潰されて暴れていた
遠目で見てももうだめなことはあきらかで
あの反応が脊髄反射であることを祈るしかなかった
頭上ではカラスがけたたましく鳴いている
私は辛くて目を背けた


全ての生き物の幸せや全ての生き物の悲しみを
考えてしまうようになるのはよくない。
私の手はそんなに大きくない。
うちに住む一匹の猫と実家に住む二匹の猫の幸せと悲しみについて
考えるだけでも精一杯なんだから。
しかし考えてしまった。なので動けなかった。
猫の幸せ、カラスの幸せ、人間の幸せ
ぐるぐると回る下手な思考となき止まないカラス
その横を軍手をつけた夫が現れててきぱきと猫の死体を布に包んでいった
私の夫は賢いなあと思う
きっと家の猫を拾った時と同じくらいの月齢だろうと思う
手を合わせて次の生まれ変わりの幸せを祈った


祈る事しかできない私がとてもふがいなかった